海外統括会社の機能設計

海外事業は、ともすると進出する国ごとにバラバラに事業を進めることで、全体を俯瞰した際に効率的な運営が行われていないケースがあります。また、海外事業統括を日本本社で実施していると、海外の現地感覚から離れた机上の検討を行ってしまう懸念があります。このため、海外事業の効率性と実効性の観点から海外地域統括会社を設立して、海外地域ごとのハブ拠点に日本本社の一部の機能を移し、海外事業に関する経営判断を適切かつ迅速に行おうとする動きが増えています。

とりわけ、COVID-19を通じた海外事業リスクの高まり、混沌とした国際情勢による地政学リスクの増大、サプライチェーンの再編など、これまで以上に海外マーケットにおける経営環境の変化が非連続化している状況を踏まえ、すでに設立されている海外地域統括会社の機能や日本本社との責任分担を再定義する必要性も大きくなっています。