ESGデューデリジェンス

M&Aにおける重要なプロセスにデューデリジェンスがあります。買い手はデューデリジェンスを通じて売り手企業のビジネスモデルや強み、リスクを把握し、適正な買収価格を判断します。従来は財務や税務、法務、人事・労務、ビジネスといった観点からデューデリジェンスが実施されていました。一方で、長期的で持続可能な事業の展開や非財務情報の開示を企業に求める動きが国内外で広がっています。このニーズに対応するのが、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)といった観点から買い手企業の機会やリスクを特定し、評価するESGデューデリジェンスです。

ESGデューデリジェンスの実施により、買い手企業は買収対象先のコンプライアンスやレピュテーションなど、非財務情報に関わるリスクや、価値向上の機会をより正確に把握し、内容によっては価格交渉のためのエビデンスとすることができます。また、買収後の統合の際のコスト評価にも非財務情報を加えて判断することが可能になります。